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矯正治療中の食事と日常生活の注意点|矯正歯科医が解説

矯正治療は、装置を口の中に装着した状態で数ヶ月から数年にわたって継続する治療です。その期間中、食事や口腔ケア、日常生活においていくつかの点に気をつける必要があります。本記事では、矯正治療中に生じやすい食事・生活上の変化と、一般的な注意点について解説します。

矯正治療中に食事で気をつけること

矯正治療中は、装置の種類にかかわらず、食事の際にいくつかの配慮が必要になります。特に治療開始直後は、歯に力が加わることで一時的な違和感や圧迫感が生じることがあり、硬いものや噛み応えの強いものが食べにくく感じられる場合があります。

装置に負担をかけやすい食べ物の特徴

ワイヤー矯正装置を使用している場合、以下のような特徴を持つ食べ物は装置に負担をかけることがあります。

  • 粘着性の高いもの(キャラメル、餅、ガムなど):装置に付着し、ブラケットやワイヤーを変形・脱落させる原因になることがあります。
  • 硬いもの(氷、硬いせんべい、フランスパンの外皮など):装置に強い衝撃を与え、破損につながる場合があります。
  • 前歯で噛みちぎる必要があるもの(りんごをそのままかじるなど):前歯部の装置に負荷がかかりやすくなります。小さく切ってから食べるなどの工夫が一般的です。

ただし、食べてはいけない食品を一律に規定することは難しく、担当歯科医師から個別に説明を受けることが重要です。

食後のケアが重要な理由

矯正装置が装着されている状態では、食べ物のかすが装置周辺に残りやすくなります。そのままにしておくと、むし歯や歯周病のリスクが高まるため、食後の口腔ケアがより重要になります。

外出先での食後ケアが難しい場合は、うがいだけでも行うことで口腔内の状態をある程度保つことができますが、できるだけ早めにブラッシングを行うことが望ましいとされています。

装置の種類による食事への影響の違い

矯正装置の種類によって、食事に関する注意点は異なります。

ワイヤー矯正の場合

ブラケットとワイヤーを歯に固定するワイヤー矯正では、装置を取り外すことができないため、食事中も装置が口の中にある状態が続きます。そのため、食事の内容や食べ方に一定の配慮が必要です。また、装置周辺の清掃が難しくなるため、専用の歯間ブラシやフロスを用いたケアが一般的に推奨されます。

マウスピース型矯正装置の場合

マウスピース型の矯正装置(アライナー)は、食事の際に取り外すことができます。そのため、食事内容による装置への直接的な影響は少ないとされています。ただし、装置を外している時間が長くなると治療計画に影響が生じる可能性があるため、食事・飲み物(水以外)の際には装置を外し、食後にケアをしてから再装着することが基本とされています。

また、着色しやすい飲み物(コーヒー、紅茶、ワインなど)を装置をつけたまま飲むと、アライナーが着色する場合があります。装置の透明感を保つためにも、飲食時の取り外しを習慣化することが一般的です。

矯正治療中の口腔ケアと着色への対応

食後のブラッシングのポイント

矯正治療中のブラッシングは、装置のない状態と比べて時間と手間がかかります。一般的には、毛先が細くやわらかめの歯ブラシを使い、装置の上下・歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨くことが推奨されます。ワイヤー矯正の場合は、タフトブラシ(毛束が一つにまとまった小さな歯ブラシ)を補助的に使用すると、装置周辺の清掃に役立ちます。

矯正治療中の着色リスクと日常ケア

矯正治療中は、装置周辺に汚れが残りやすいだけでなく、歯自体にも着色(ステイン)が蓄積しやすい状況になる場合があります。コーヒー・紅茶・カレーなどの色素が強い飲食物は、歯の表面だけでなく装置にも着色をもたらすことがあります。

着色の原因や種類については別途解説していますが(歯の着色の原因とは?コーヒー・加齢・生活習慣との関係を解説)、日常的なケアとして以下が一般的に行われています。

  • 着色しやすい飲食物を摂取した後は早めにうがい・ブラッシングをする
  • 定期的な歯科でのクリーニング(PMTC)を受ける
  • 研磨剤入りの歯磨き粉については、装置への影響も含め担当歯科医師に相談する

なお、着色の度合いや適切なケアの方法は個人差があるため、担当歯科医師や歯科衛生士に相談しながら進めることが大切です。

矯正治療完了後のホワイトニングについて

矯正中のホワイトニングに関する一般的な考え方

ホワイトニングを矯正治療と並行して行うことができるかどうかは、装置の種類や口腔内の状態によって異なります。

ワイヤー矯正中は、ブラケットが歯の表面に接着されているため、その部分にはホワイトニング剤が届かず、装置撤去後に色ムラが生じる可能性があることから、一般的には矯正治療完了後にホワイトニングを行うことが多いとされています。

マウスピース型矯正装置の場合は、装置を取り外した状態でホワイトニングを行える場合もありますが、矯正用のアライナーとホワイトニング用のマウスピースは別物であり、代用はできません。並行して行う場合は、治療計画への影響も含めて担当歯科医師に確認することが必要です。

矯正完了後のホワイトニングが選ばれる理由

矯正治療が完了し、歯並びが整った後にホワイトニングを行うことで、歯列全体に均一にアプローチしやすくなります。そのため、矯正治療の完了後にホワイトニングを検討されるケースもあります。

ホワイトニングの種類(オフィスホワイトニング・ホームホワイトニングなど)や適応については、口腔内の状態によって異なります。矯正治療の完了後に改めて担当歯科医師に相談することが、適切な選択につながります。

日常生活で生じやすいその他の変化

発音・話しやすさへの影響

矯正装置を装着した直後は、発音に影響が出ることがあります。特に、舌が装置に触れる音(さ行・た行など)で違和感を感じる方が多いとされています。多くの場合、数日から数週間で慣れていきますが、個人差があります。

仕事や学校でのプレゼンテーションなど、発音が特に重要な場面が続く時期については、治療開始のタイミングを担当歯科医師と相談することも一つの考え方です。

スポーツ・楽器演奏時の注意点

コンタクトスポーツ(ラグビー・格闘技・バスケットボールなど)を行う際は、口腔内の装置が唇や頬の粘膜を傷つける可能性があるため、マウスガードの使用が検討されます。ただし、矯正装置の上から使用できるマウスガードの種類は限られるため、担当歯科医師に相談のうえ対応を検討してください。

管楽器・弦楽器の演奏についても、装置の種類によっては影響が生じる場合があります。演奏活動が多い方は、治療開始前に担当歯科医師に状況を伝えたうえで装置の選択について相談することが望ましいとされています。

西宮・芦屋エリアで矯正治療を継続するにあたって

矯正治療は長期間にわたる治療であり、日常生活とのバランスを取りながら続けていくことが重要です。食事・口腔ケア・スポーツ・仕事など、生活上の疑問や不安が生じた際は、自己判断せず担当歯科医師や歯科衛生士に相談することが、治療をスムーズに進めるうえで大切です。

矯正治療を検討されている方、または治療中に生活上の疑問がある方は、かかりつけの歯科医師にご相談ください。

監修:歯科医師
沖田 亮介(日本口腔インプラント学会 専修医)

一般歯科および口腔外科領域を中心に臨床に従事している。

執筆:歯科医師(矯正歯科)
沖田 直也(歯学博士 / 日本矯正歯科学会 認定医)

歯科矯正学を専門に大学院で研究を行い、臨床および教育活動に従事している。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、治療効果や適応は個人差があります。具体的な診断や治療については歯科医師にご相談ください。